自費出版をする場合、印刷業者や出版社の担当者の人は、初心者にもわかるような言葉で出版方法を教えてくれるでしょう。
しかし、担当の方に、自分の考えなどを伝えるためには、出版専門用語をある程度は理解しておいた方がよいでしょう。自費出版でよく使われる出版専門用語を確認していきましょう。
あ行
あ行の用語
赤字入れ
読み:あかじいれ
校正(ゲラ刷りの種々の誤りや不備を正すこと)の際に、訂正や修正などの指示を書き込むことを指します。校正は、赤ボールペン、赤鉛筆で書き入れるために赤字入れと呼びます。
あじろ綴じ
読み:あじろとじ
無線綴じの形式の一つです。折丁の背に切込みを入れてスリット孔を作り、そこに接着剤を浸透させる製本方法です。
後付け
読み:あとづけ
本文のあとにつける「索引」や「あとがき」といったページのことです。
あたり
本文中の写真や図版の場所を示す目印のことです。
あとがき
本文のあとに置かれる内容の一つです。本を書き上げた感想などを書きます。
糸綴じ製本
読み:いととじせいほん
製本の方法の一つです。糸によって本を製本する方法です。
色校正
読み:いろこうせい
刷り上がってきたゲラの色調などが、イメージと合致しているかのチェックを行う作業のことです。写真集やカタログを自費出版する際に行います。
奥付
読み:おくづけ
本の最後のページにおかれる書誌情報のこと。「書籍名」「作者名」「発行年」などを記載します。
帯
読み:おび
本に巻く細長い紙のこと。書籍の内容や推薦文を記載します。
か行
か行の用語
改丁
読み:かいちょう
新しい章を新しい紙で始めること。章の終わりなどで次の章の始まりを奇数ページからに改めることを指します。次のページが偶数頁ならばそのページは白紙にします。
改頁
読み:かいぺーじ
次のページから新しい章を始めること。
改丁の場合は、新しい章は、奇数ページになるようにします。一方。改頁の場合は、右側のページから始まることもあり、左側のページから始まることもあります。
キャプション
新聞・雑誌などの見出し。また、写真・図版に添えられた説明文のこと。頭注、脚注、割注、後注とも呼ばれます。
行間・字間
読み:ぎょうかん・じかん
行と字、それぞれの間隔を示す言葉。
口絵
読み:くちえ
本の巻頭に入れる絵画・写真などのこと。
罫下
読み:けした
本の下側の切り口部分のこと。「地」ともいいます。
献辞
読み:けんじ
前付け部分に挿入される言葉。その本を書くきっかけになった人に対するお礼などが書かれます。
ゲラ刷り
読み:げらずり
文字校正用の印刷物のこと。校正刷りとも。
校正
読み:こうせい
編集を経た文章の文字の修正、追加、レイアウトの確認などのチェックをすること。
校正刷り
読み:こうせいずり
校正をおこなうためにプリントアウトした仮刷りのこと。
小口
読み:こぐち
本の背の反対側のこと。
さ行
さ行の用語
索引
読み:さくいん
主に、本文のあとに入れられるページ。本文中の重要な語句を検索しやすいように五十音順などでまとめたページのこと。
参考文献
読み:さんこうぶんけん
その本を書くときに、参考にした本をまとめて解説したページのこと。
しおり
書籍の頁の間に挟む目印がわりにはさむ布製のしおりのこと。「スピン」とも。
上製本
読み:じょうせいぼん
製本方法のひとつ。厚紙などを使った表紙で本文をくるみます。多少手間が掛かるためコストが高く、記念誌や卒業アルバムなどの特別な本を製本するときに使います。
出張校正
読み:しゅっちょうこうせい
直接、印刷所に出向いて行う校正のこと。
序文
読み:じょぶん
まえがきとも。本文に入る前に、この本がどのような内容で、なぜ書いたかといったことをまとめたページのこと。
背
読み:せ
本の背中部分。タイトルなどを印刷する。
装幀
読み:そうてい
カバーといった本のデザインのこと。
た行
た行の用語
縦組み
読み:たてぐみ
本の内容が縦書きで読めるように文字を並べた組み方のこと。
段間
読み:だんかん
段組の間隔のこと。
段組
読み:だんぐみ
文字を読みやすいように、2列以上の列に分けて配列すること。
地
読み:じ
罫下とも。本の下側を指す言葉。
天
読み:てん
本の上側を指す言葉。
扉
読み:とびら
本の最初のページのこと。タイトル、出版社名、著者名などを記します。
な行
な行の用語
中綴じ
読み:なかとじ
背の中央に針金などを通して綴じる綴じ方です。並製本の綴じ方の一つ。
中扉
読み:なかとびら
本の内容の区切りや、章が始まる入口となるページのことです。
並製本
読み:なみせいほん
本の製本方法のことです。文庫本などによくみられる製本方法。
入稿
読み:にゅうこう
原稿データを印刷所へ渡すこと。
ノド
本のページのうち、本を綴じる側のこと。背に接している部分を指す。
ノンブル
ページ番号を示す数字のこと。
は行
は行の用語
はしがき
書物の巻頭に掲載する文。
柱
読み:はしら
各ページの余白部に書名・巻数・ページ数・章タイトル・節タイトルなどを配置したもの。
判型
読み:はんがた
本の大きさを示すもの。サイズごとに以下のように呼称が異なります。
呼称 | サイズ |
---|---|
A4判 | 210×297 |
B5判 | 182×257 |
A5判 | 148×210 |
B6判 | 128×182 |
菊判 | 150×220 |
四六判 | 127×188 |
AB判 | 210×257 |
小B6判 | 112×174 |
三五判 | 84×148 |
新書判 | 103×182 |
重箱判 | 182×206 |
版下
読み:はんした
印刷をおこなうために作成された原稿のこと。
版面
読み:はんめん
本文の印刷される面の大きさのこと。ノンブルや柱などは含まれません。
凡例
読み:はんれい
本文中の約束事や略語や記号などの説明を記載したページのこと。
表紙
読み:ひょうし
本の外側の部分のこと。本の保護、内容の表示、装飾などを目的としています。
平綴じ
読み:ひらとじ
並製本の綴じ方の一つ。ノド(背)から5mm程度の所に、針金や糸を通して綴じます。
付録
読み:ふろく
本と関連した資料などをまとめたページ。後付け部分に挿入されます。
ポイント
文字の大きさを示す単位のこと。ptと表されます。
本刷り
読み:ほんずり
校正作業を終えて、製品紙に印刷すること。
本文
読み:ほんぶん
本を構成する中心となる内容のこと。一般的に前付け、後付け部分は本文とは呼ばれない。
ま行
ま行の用語
見返し
読み:みかえし
本の表紙と中身をつなぐ紙のこと。
見出し
読み:みだし
内容が一目で分かるようにした編・章・節・記事などの標題のこと。大見出し・中見出し・小見出しがある。
無線綴じ
読み:むせんとじ
並製本の綴じ方の一つ。背を糊で接着し製本する綴じ方のこと。
目次
読み:もくじ
本の見出し,ページ等を明示したページのこと。
や行
や行の用語
横組み
読み:よこぐみ
本のページの各行の文字が横に読めるように並べた組み方のこと。
ら行
ら行の用語
ルビ
難読漢字の読み方を示したもの。「このように読んでほしい」という筆者の希望を示すルビもある。
A~Z
A~Zの用語
DTP
パソコン上で行う作業のこと。文字入力、レイアウト、出力など。
ISBN
国際標準図書番号の略称。膨大にある書籍を管理する目的でつけられる番号で、書店流通をさせる本には必ずつけなくてはならないものです。
PP加工
表紙、カバーに特殊フィルムをかけることで、擦れによるカバー汚損を防ぐ効果があります。
作成した書籍を電子的に配布することができるフォーマットのこと。
まとめ:わかりにくいことは担当者にしっかりと尋ねよう
自費出版をするにはある程度のお金が必要になります。自分にとって納得できる本を出版できるように、ある程度は出版用語を知っておきましょう。
なお、出版用語は、一般社会ではあまり聞くことがないのでなかなか理解が難しいもの。わかりにくい部分があれば、担当者に尋ねて疑問を残さないようにしましょう。
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