同人誌の基本の綴じ方には、「中綴じ」と「無線綴じ」の二種類があります。
中綴じは、安い費用で製本可能ですが、ページの上限があるというデメリットがあります。一方、無線綴じは、ページの上限なく製本が可能というメリットがあるのですが、費用がかさみがちです。
基本的に、ページ数が多い同人誌は無線綴じを選ぶようにすると良いでしょう。
目次
同人誌の基本の綴じ方は中綴じと無線綴じ
同人誌の基本の綴じ方は、「中綴じ」と「無線綴じ」の二種類です。綴じ方によって原稿の描き方も異なるので、作成前にどちらにするかを考えておくようにしましょう。
中綴じとは?
中綴じとは、ホッチキスなどを使って製本する方法です。一般には、薄手のパンフレットやスケジュール帳などでよく見かける製法方法です。
作品の背表紙と本の中身を順番に重ねていき。それらを二つ折りにして、真ん中をホッチキスや糸で綴じて製本をします。ホッチキスとプリンターがあれば完成するので、自分で製本をすることも可能です。
一枚の紙に4ページ分(表と裏に2ページずつの原稿)を描きます。ですので、中綴じで本を作るならば、最終的にページ数が4の倍数になるように注意しながら、作品を作る必要があります。もしも、4の倍数にならなかったのならば、無線綴じにするか、最後のページを白紙にする必要が発生します。
なお、ホッチキスで製本をするので、ページ数に制限(16ページまでなど)があります。
無線綴じとは?
無線綴じとは、ホッチキスや糸を使用しないで、本の背と背表紙を糊で固めて綴じる方法です。用紙を重ね、背の部分に糊をつけて表紙と接着します。特殊な機械が必要なので、自分で製本することはできません。
商業出版されている本の大半は、この「無線綴じ」がされています。文庫本や小説本を見るとイメージがつきやすいでしょう。
無線綴じは、1枚の紙の裏表に1ページずつ原稿を描きます。ですので、中綴じ製本のように倍数にはこだわらずに製本可能という特徴があります。さらに、糊を使って綴じるので、ページ数に上限はありません。
中綴じと無線綴じどんな同人誌に合う?
中綴じはフリー冊子や配布用パンフレットに、無線綴じはページ数の多い個人誌やアンソロジー向きです。
中綴じが合う同人誌
見開きを活用したい、あるいは、ページ数が少ない同人誌は中綴じが合います。
中綴じは、ホッチキスで綴じることが可能な厚さしか対応していません。目安としては、16ページ前後の同人誌しか中綴じ製本ができません。少ないページ数の同人誌か無料配布の内容見本の同人誌に合います。
ただし、中綴じは、ホッチキスで止められているので、見開きいっぱいにページを開くことが可能です。イラスト集や写真集などのように、見開きいっぱいを使って「見せる」同人誌に適しているといえるでしょう。
無線綴じが合う同人誌
無線綴じは、16ページを超える同人誌や高級感を持たせたい同人誌に合っています。
中綴じが可能なのは16ページ前後までです。ですので、16ページ以上の作品を同人誌として出したいのならば、無線綴じを選びましょう。
中綴じと違って、ページを開ききることはできません。しかし、厚みのある写真集やイラスト集にも合います。
また、商業誌の大半は無線綴じです。ですので、中綴じ以上に無線綴じは、本らしい雰囲気があります。同人誌に高級感を持たせたいときにもおすすめできます。
中綴じと無線綴じのメリットやデメリットも覚えておこう
中綴じと無線綴じには、それぞれメリットとデメリットがあります。
中綴じのメリット
中綴じは、本のノド部分まで開ききることができます。ですので、見開きで、大きく写真やイラストを見せることができるメリットがあります。開きやすくて読みやすい本なのです。
また、中綴じは、製本方法が単純です。そのため、無線綴じよりも低価格で印刷可能です。安い値段で自分の本を出すことができるメリットもあるので、とりあえずお試しで同人誌を出したい人におすすめできます。
中綴じのデメリット
中綴じのデメリットとしては、ページ数制限がある点にあります。二つ折りにした紙の折り目の部分をホッチキスで綴じる製本方式なので、ホッチキス留めが可能な16ページ前後の本にしか使えないのです。
また、1枚の紙に4ページ分が印刷されるので、4の倍数で本を構成しなくてはならないデメリットもあります。
さらに、ホッチキスで留めているだけの製本方法なので耐久性が低く、やや安っぽく見えるデメリットもあるのです。
無線綴じのメリット
無線綴じのメリットとは、糊による製本なので、ページ数に上限がないメリットがあります。
さらに、背表紙を作ることができ、背表紙に本のタイトルなどを入れて、デザインに凝ることも可能です。一般に流通している書籍も無線綴じなので、本格的でリッチな印象を与えやすいというメリットもあります。
さらに、厚みがあり、糊によってしっかりと製本されているので、耐久性があるメリットもあります。
無線綴じのデメリット
無線綴じのデメリットとは、背の部分を糊でくっつけて製本をするので、冊子の中央部分が綴じたときに隠れてしまうデメリットがあります。
ですので、見開きいっぱいに見せたい場合は、「ノド(冊子の中心部分)」を空白にするよう、レイアウトに配慮する工夫が必要です。
さらに、無線綴じは、特殊な機械を使って製本をするので中綴じよりも費用がかかりがちというデメリットも存在しています。
加えて、無線綴じは、背表紙がどれくらいの厚さになるのかを計算し、表紙を作らないといけない大変さもあります。
また、綴じ方とあわせて同人誌作りの参考にこちらの記事もぜひご覧ください。
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まとめ:中綴じ・無線綴じの特徴を意識して製本しよう
同人誌には、中綴じ・無線綴じがあります。中綴じの製本は、ホッチキスによる製本なので、費用も比較的安価で、見開きいっぱいに写真やイラストを掲載できるメリットがあります。一方、無線綴じは、ページ数の上限がなく、高級感のある本を作成可能というメリットがあります。
ただし、中綴じにはページ数の上限があり、無線綴じは見開きいっぱいに作品を配置できないデメリットもあります。自分の作品のページ数やどのような本を作りたいのかを意識して製本方法を選択するようにしましょう。