はじめて同人イベントに参加される方は、「締め切りはいつくらいなのだろうか?」といった疑問を持っていることでしょう。締め切りは、同人イベントの規模にもよりますが、イベントの一週間前のあたりが印刷できる締め切りになるようです。
ただし、同人イベントでは二次創作や奥付表記に関する独自ルールもあり、このルールを守れていないと、同人誌を発行してもらえない可能性もあるのです。
ですので、イベント一週間前までに準備しておけば大丈夫!と考えるのではなく、ゆとりを持って準備するのが大切です。この記事で、納期の考え方や注意点を確認しておきましょう。
目次
同人誌の納期はいつ?
まず、納期とは、同人誌にしてほしいデータを印刷業者に渡して、製本された同人誌が手元に到着するまでの期間を示す言葉です。
同人誌の納期は、一般的には一週間程度とされています。原稿データを印刷所に渡せば、すぐに印刷されると誤解されがちですが、実はそうではありません。データを製本するには、製版といった過程があるので、印刷までには時間がかかるのです。
さらに、出来上がった本を、依頼者の手元に届けるには、発送もしなくてはなりません。発送から手元に同人誌が到着するまで1日~3日ほどの時間がかかるため、納期は1週間前後になるのです。
ただし、印刷所の中には、特急で製本を行う業者も存在します。この場合は、オプション費用がかかり、通常よりも製本費用が必要になりますが、3日程度を納期として本を仕上げてくれるようです。
なお、同人誌を作成する業者は、多くの印刷物を製本しなくてはならず、スケジュールがつまっています。ですので、万が一、データをわたす締め切りを守れなかった場合は、割増料金を請求されたり、印刷をキャンセルされたりもしてしまうので注意が必要です。
同人誌の一般的な納期の考え方
同人誌の一般的な納期の考え方は、繁忙期と閑散期により異なります。
通常期
同人誌のイベントは、毎週のように開催されています。このうち、あまり参加者のいない同人誌のイベントならば、印刷業者が込み合うこともありません。だいたい3日~7日が納期になります。
日曜日にイベントがあるとすれば、水曜日がイベントまでに納品できるギリギリのラインになります。月曜日にデータを渡すことができれば、イベントに間に合わせることが可能です。その前週の金曜日までに印刷データを業者にわたすことができれば十分に間に合い、業者によっては「早期入稿割引」といって、製本費を割り引いてくれることもあるようです。
繁忙期
同人誌には5大イベントと呼ばれる規模の大きいイベントがあります。
・HARU COMIC CITY(3月)
・SUPER COMIC CITY(5月)
・コミックマーケット(8月)
・COMIC CITY SPARK(10月)
・コミックマーケット(12月)
これらはかなり規模が大きいイベントです。たとえば、国内外から注目されているコミックマーケットでは、イベント中に累計75万人もの人が集まるとされています。
100単位の部数で同人誌を刷る人も多いので、5大イベントの前は印刷業界の繁忙期に該当します。ですので、通常期の納期では製本してもらえません。
印刷業者によっても納期は異なってきますが、お盆前後に開催されることが多い夏のコミックマーケットでは、7月上旬から下旬が早期入稿割引の対象となり、8月初旬に入稿されたデータがコミケに間に合うギリギリのラインになるようです。
人気の印刷業者によっては、8月に入った段階で「コミケまでに納品できないので印刷できません」と受付終了することもあるようです。
コミケをはじめとする5大イベントへの参加が決まったならば、早い段階から印刷業者を見つけて、依頼をする必要があるでしょう。
また、発行部数の考え方・決め方はこちらの記事でご覧になれます。
はじめてでも失敗しない!同人誌の発行部数の決め方
納品までのスケジュール例
納品までのスケジュールですが、カラーかモノクロかによっても大きく変わってきます。たとえば、4月20日に開催される同人のイベントに参加するとしましょう。
通常期の納期の目安は以下の通りです。
・表紙モノクロ・本文モノクロ:納期5営業日
・表紙カラー・本文モノクロ:納期5営業日
・表紙カラー・本文カラー:納期6営業日
表紙も本文もカラーならば6日ほど時間がかかります。ですので、4月20日の一週間前くらいの13日あたりが締め切りになるでしょう。
なお、締め切りを過ぎてしまうと、印刷できないケースもあるため注意しましょう。スケジュールの管理には、同人手帳というアプリを使う人が多いです。
画像出典:同人手帳
同人手帳は、締め切りを入力すれば、いつまでにペン入れをすればいいか、トーンをはればいいか、といったスケジュールを示してくれます。進捗管理もできるので計画的な同人誌作成ができるでしょう。
同人誌の印刷を発注するときの注意点
同人誌の印刷を発注するときには、守らなくてはならない注意点が複数存在します。
・成人向けの内容には、「成人向けアイコン」「18禁アイコン」を入れているか
・原稿枠などを削除できているか
・注文するサイズとデータのサイズがあっているか
・奥付はつけたか
性的な内容を描いた同人誌を売る場合は、18禁の作品であることを表紙に明示しておかなくてはなりません。18禁アイコンのフリー素材は多数配布されているので、表紙にアイコンを挿入しておくようにしましょう。
また、原稿枠や下書きの線といった写り込んではいけないものを消すことができているかの確認も大切になってきます。注文するサイズとデータのサイズがあっているか、の確認も大切です。もしもA4サイズで作成したデータをB5サイズで製本をしてしまうと、原稿の一部がカットされてしまいます。
最後に、奥付をつけたかを確認しておきましょう。
同人誌を作成した際には、発行責任が生じます。記載する必要事項は、①本のタイトル、②発行日、③発行者、④発行責任者の連絡先(メールアドレスやTwitterアカウントなどです。住所を書く必要はありません。)、⑤印刷会社名の5つです。
「奥付がない同人誌は販売してはならない」としている同人誌のイベントもありますからきちんとつけるようにしましょう。
まとめ:同人誌の締め切りはイベントの一週間前が目安
同人誌は、イベントの一週間前までに印刷データを印刷業者に送ることができていれば、イベントまでに製本をしてもらえます。ただし、これは通常期の場合です。
コミケなどの大きなイベントでは、イベントの前の月が締め切りになることも少なくありません。
イベントに間に合わせることができるように、余裕をもって原稿を仕上げるようにしましょう。その際には、奥付の表記は正しいか、といったこともきちんと確認しておくようにしてくださいね。